体育祭

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「嵐みたいな人だね。菖蒲先輩って」 聞きたいことを聞けて満足したのか出ていく菖蒲の後ろ姿を眺めながら芹那が呟く。 「うん。確かに」 楓が頷く。 「ていうか、情報回るの早くない?誰が教えたの?私ら3、4時間目、ずっと体育館にいたのに。さっき教室戻ったのにどうやって知ったんだろう?」 桃花は疑問を口にする。 昼休み半ばか、後半に来るならわかるが、始まってすぐきたとなるとどうやって知ったのかどうしても気になる。 「考えられるのは一つだよね。誰かがスマホで教えたんだろうね」 芹那は呆れたようにため息を吐く。 「それしかないよね」 昼休みになってから聞けばいいのにと思うと、私も苦笑いしかできなくなる。 「菖蒲先輩が知ってるってことは他の先輩たちも知ってるだろうね」 桃花の言った通り、応援団、ダンス、よさこいの係のものは、1年と3年に知られていた。 誰かわかった瞬間、3年の赤組と青組はとても喜んだ。 そして両組とも自分たちの組みが勝ったと確信する。 1年は5、6時間目に係決めなので、決める前に誰がどの係か知れて物凄く喜んだ。 1年の係決めは先生たちがドン引きするほどの熱量で行われた。 特に赤組と青組の応援団決めは!
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