体育祭

22/29
前へ
/124ページ
次へ
「もう知っていると思うが、俺が青組の応援団団長になりました菖蒲紅です。よろしくお願いします」 菖蒲が自己紹介を終えると応援団皆が拍手をする。 その後に副団長、3年、2年、1年という順で自己紹介していく。 3年は男女共に6人。 1、2年は男女共に4人ずつ。 計28人いる。 順番が回ってきた。 少しだけ緊張する。 「2年の桜庭巴です。よろしくお願いします」 自分の番が終わり、ホッとしているとたまたま菖蒲と目が合う。 すごいニコニコしていた。 噂で聞いたイメージとは少し違うな。 '噂なんてだいたいそんなもんか……' そう思いながら、残りの人たちの自己紹介を聞く。 「全員の自己紹介が終わったので、青組の演舞の説明をします。俺たち、青組はアクロバットを取り入れます」 菖蒲がアクロバットをするというと、一部のものは困惑する。 'あ〜、なるほどね。それで私を誘ったのね' なぜ誘われたのか理解し、納得する。 「もちろん。全員ができるとは思ってないので安心してください。できる人だけでやるので。とりあえず、バク転ができるものは手を挙げてくれ」 菖蒲は皆に言うが、最後は私の方を見て言う。 もちろん、挙げるよな、と圧をかけてくる。 私はそろりとゆっくり手を挙げる。 私以外に手を挙げたのは3人だけ。 2年の男子2人と、1年の男子が1人。 「4人か……」 副団長の如月彩花(きさらぎあやか)、先日お願いにきた女の先輩が呟く。
/124ページ

最初のコメントを投稿しよう!

111人が本棚に入れています
本棚に追加