体育祭

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「巴」 「あ、桃花」 4時間目が始める5分前に体育館にきた。 「早いね」 桃花たちは理科室で話し合いをしていた。 体育館から遠いところなので一番最後に白組が集まった。 「移動してないからね。私たちはここで3時間目したから」 「え、なにそれ羨ましい」 移動しなくていい分、休憩時間が多くなるのが羨ましかった。 「それより大丈夫?」 秋夜と茜もいて心配になる。 あの2人も応援団になっているとは思わず驚いた。 「うん。大丈夫。ね、それより、なんで各組の応援団が集まるの?」 チラチラとこっちを見ているのか茜と秋夜の視線を感じる。 本当は大丈夫ではない。 最悪だ。 浮気した男、親友で裏切った女、そんな2人と同じ空間にいるなど嫌でしかたない。 桃花がくるまで、気づかないふりして青組のなかにいた。 そのとき藤堂と目が合い心配そうな顔していた。 藤堂は唯一、私が秋夜と別れた理由をしていっている人物だ。 これ以上迷惑かけるわけにはいかないので、大丈夫だと教えるため笑いかけた。 それで安心したのか藤堂は後ろを向いて赤組の輪に戻っていった。 そうしてなんとか耐えていると白組がきた。 5分にも満たない短い時間だったが、あまりにも長く感じた。 4時間目が始まるまで後3分もないが、その短い時間でも茜と秋夜の話題はしたくなくてわざと話題を変えた。
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