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「半分こしよう。流石に私一人じゃあ、食べきれないからさ」
嘘。本当は余裕で食べれる。
桃花達と来るときはいつもバターコーンにチャーハンと餃子もつける。
でも今回はこうでもしないと藤堂が遠慮して食べないとわかっているので強引に注文した。
「わかった。でも、さすがに悪いから半分俺も出すよ」
さすがにチャーハンと餃子まで奢ってもらうのは違うと思いそう言う。
「ううん。必要ないよ。言ったでしょう。俺はお礼だって。藤堂くんにとってあれは当たり前のことだったかもしれないけど、私は本当に助かったの。夕飯奢るくらいじゃあ、感謝を表せないほど感謝してるの。だから素直に奢られて。これは私なりの感謝の気持ちだから。ね」
「わかった。遠慮なく奢られるよ」
これ以上断るのは私の気持ちを無碍にすることだと思い、素直に奢られることにした。
「ありがとう。遠慮なく食べてね」
そう言って話が纏まったとき「へい。お待ち」と大将がラーメンを持ってきた。
「美味しそう。食べよう」
「ああ」
私達はたわいもない話をしながら食事をした。
餃子はいつも通りだったが、チャーハンはいつもと違い大盛りだった。
私は注文間違えたかのかと思い、大将の方を見るとまたグッドサインをされて察した。
私がいつも食べる量より少ないと思ってサービスしてくれたのだ。
心の中で感謝しつつ、次来たときにいっぱい頼もうと決める。
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