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「なにこれ?」
私は手紙の内容をみるなり気持ち悪くなる。
「あの裏切り者達のこと言ってるわけ?もう知ったわよ。それにしても一体誰がこんな手紙を?私の知ってる人?」
これ以上考えても明日、秋夜と別れるし関係ない。
このときの私はこの手紙の意味を深く考えなかった。
そんな余裕がなかったから。
でも、ちゃんと考えるべきだった。
そうすればあんなに深く傷つくことはなかったかもしれない。
私は手紙をゴミ箱に捨て何も考えたくなくて寝ることにした。
今日はじぃちゃんはいないから一人だ。
両親は5歳の時に事故で亡くなったから、もうこの世にはいない。
こういうとき誰かにそばに居て欲しいと思うと同時に、こんな惨めな姿を誰にも見られなくて良かったとホッとする自分がいる。
感情がぐちゃぐちゃになって気持ち悪い。
どうせ明日になったら、いつもの生活に戻る。
そう思って布団の中に入り無理矢理眠りについたのに、どうしてこんなことになったのだろうか。
憂鬱な気持ちで学校まで来たのに。
みんなが見てる前で藤堂に挨拶された。
そのせいでその場にいる全員の視線が私に向けられた。
「おはよう。桜庭」
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