藤堂side

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藤堂side

時は遡り昼休み。 仲良い二人と食べようとしたら、またあいつらがきた。 もちろん裏で楽しんでいたクズの二人もいる。 二人の顔を見た瞬間、気分が悪くなる。 隣にいた蒼(あおい)が涼介(りょうすけ)に「なんか蓮の機嫌急に悪くなってないか」と言っているのが聞こえたがそんなのどうでもいい。 今目の前にいる秋夜が茜の肩に腕を回しているのが許せなかった。 本当は文句の一つでも言ってやりたかったが、それだと桜庭が浮気された可哀想な女になる。 それに、これは桜庭とこの二人の問題だ。 関係ない俺が入って変な噂でも流れたら桜庭に申し訳ない。 腹は立つが我慢するしかない。 そう思い、無心で弁当を食べる。 話しかけるなオーラを発していたから今日は誰も話しかけてこなかった。 弁当を食べ終わって俺以外が雑談していたそのとき、秋夜が時計を見て「もう時間か」と呟いた。 たまたまその声が聞こえ、どう意味かと考えていると「悪い。俺ようがあるから先行くわ」と言って教室から出て行った。 俺はすぐにそのようが桜庭関係だとわかった。 いつもなら何とも思わないが、昨日のこともありどうしても放っておけず秋夜の後を追う。 女子達にどこに行くのかと尋ねられたときは鬱陶しいと思いながら「職員室」とついてこれないよう嘘を吐いた。 最初はついてこようとしていた女子達も職員室だとわかると、上げた腰を下ろし笑顔で見送った。 俺はそれを無視して早足で秋夜の後を追う。
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