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「ちょっと、トイレ行ってくる」
ジュースを飲み過ぎた。
私は奥の席に座っていたので、桃花にどいてもらわないといけない。
「ん」
桃花が席を立つ。
「ごめん。ありがとう」
そう言って私はお手洗いへと向かう。
三人は私がお手洗いに入ると、顔を寄せ合い小声で話し出す。
「ねぇ。あのクズの浮気相手誰だと思う?知らないでクズと付き合ってたなら許すけど、もしそうじゃないなら、ボコボコにしてもいいよね」
楓が最初にそう言うと芹那もそれに続くようこう言った。
駄目と言われたのは秋夜だけで浮気相手は言われてないから大丈夫だと勝手に解釈した。
「当然よ。知ってて浮気したなら容赦する必要はないわ」
「二人とも落ち着いて」
桃花の落ち着きように、二人はイラッとする。
友達が傷つけられたのにどうしてそんな風に落ち着けられるのか、と。
だが、桃花の顔を見て杞憂だったと知る。
「私達がしようとしていることが巴の耳に入ったら、自分のせいでこんなことをさせたと責任を感じるわ。だから、バレずにやらないと。今の二人だと勘のいい巴にすぐバレるわ」
「確かに、そうだね。巴にはバレないようにしないと」
芹那は桃花の意見を素直に聞くことにした。
楓も桃花の言うことが正しいと思い「わかった」と納得する。
「話しの続きはまた今度しよう。巴がそろそろ戻ってくるわ。とりあえず、各自で浮気相手を探ろう。怪しいと思ったらその人物を共有して調べよう。それでいい?」
桃花の提案に楓と芹那は「オッケー」「うん。いいよ」と返事をする。
少しすると巴が戻ってきて、話しを早く切り上げてよかったと全員が思った。
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