大会

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決勝戦。 審判の指示に従いコートに入り礼をする。 「始め!」の掛け声で先制攻撃をしようと思っていたが、桐瀬の方を見ると向こうから仕掛けてくる雰囲気だったのでカウンターをすることにした。 だが、その攻撃を予想していたのだろう。 簡単に防がれた。 そこから桐瀬の連続攻撃が襲ってきた。 私は全て避け、反撃のチャンスを待つ。 すぐにそのチャンスは訪れた。 桐瀬がつきをしようとした瞬間、私はお腹に蹴りを一発入れた。 桐瀬はその場に倒れ、一本をとった。 これで終わりかと思ったが、桐瀬は立ち上がり試合は再開された。 桐瀬は怒り狂ったように攻撃を仕掛けてきたが全て避けた。 桐瀬が右手で突きの攻撃をしてきたので避けたその瞬間、2階の観客席が見えた。 私はそこにいる人達を見て目をカッと開いた。 'なんで……なんであんた達がいるのよ!どこまで私を馬鹿にすればいいのよ!!' 私は怒りのあまり、我を忘れてしまう。 その感情の赴くまま、攻撃を仕掛けようとする 桐瀬に上段回し蹴りをお見舞いし試合を終わらせた。 私は審判の「やめ!」で我に返り、やり過ぎたと後悔した。 大丈夫かと心配で桐瀬の方を見ると悔しそうにこちらを見ていたので、大丈夫だと思い安心した。 決勝戦はこれで終わったので、私は帰るため2階へと上がる。 秋夜達に会いたくなかったので、早足でその場を離れたので審判達がどんな目で私を見ていたか知る由もなかった。
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