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「え……?」
茜は私の行動が理解できなかったのか、腑抜けた声を出し私の後ろ姿をただ呆然と眺めた。
どうして無視するのか?
どうしてそんな冷たい瞳で自分を見るのか?
そう聞きたくても先程の巴の顔が怖くて話しかけられなかった。
隣でその光景を見ていた芹那は「まさか、茜が浮気相手なの?」と疑う。
だが、すぐにそんなはずはないと否定する。
茜は大の巴好きで有名だ。
自分達よりも前に巴と知り合っている。
巴と茜は幼馴染。
仲良くなったきっかけは茜がいじめられているのを巴が助けたからだと茜が言っていた。
そんな彼女が巴を裏切るはずはない。
きっと浮気で別れたのに秋夜を連れてきたことに怒っているのだと思うことにした。
茜のことは好きではないが、友達を裏切るような女ではないと信じたかった。
茜がまだ何か言いたそうだったが、もし自分が巴の立場だったらこの場にいたくはない。
そう思い、これ以上話しかけんなと茜を睨み巴を守るようにしてその場を離れる。
秋夜のことは桃花と芹那に任せて。
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