モテ期!?

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「薺くん」 薺碧(なずなあおい)。 藤堂と同じくらい人気でモテる男。 薺もトップ3にもちろん入っている。 藤堂と違い社交的なせいで一番モテるという噂がある。 同じ図書委員だから何回か話したことはあるが、男子は苦手なのでそこまで仲良くはない。 それに、話せば周りの女子達から反感も買うのでそこまで仲良くなりたいと思ったこともない。 私とは正反対の世界に生きている人だと認識してるから。 「先生に頼まれてシオリを作ってるの」 とりあえず聞かれたことに答える。 無視はよくないから。 「え!?その量を一人で?」 薺は驚く。 どう見ても一人でできる量ではない。 「ハハッ。凄いよね」 「手伝うよ」 「え?大丈夫だよ。一時間やったら帰っていいって言われてるから、全部やる必要はないし」 わざわざ手伝ってもらうのも申し訳ない。 それに、そこまで話したことない人と一緒にいるのは苦手だ。 何よりこんなところを女子達に見られたらと思うと怖くて仕方ない。 金曜日は藤堂に声をかけられ、今日は別れたことが広まった。 そしてこんなところを見られたら、また明日面倒なことになる。 それがわかってるから早く帰って欲しい。 そう思ってやんわり断ったのに…… 「これって順番は?」 勝手に教室に入ってきて、隣に座って話しかけてくる。 せめて正面に座れ、と思いながら順番を教える。 薺と仲良くないから知らなかった。 人の話を聞かない人間だったとは。 私は薺を帰すのは無理だと諦めた。 この状況を受け入れ作業をするが、絶対に誰も来ないで欲しいと切に願った。
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