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時を遡り、少し前。
今日は弁当を忘れた芹那のために学食でご飯をすることになった。
いつものように席を取り芹那が来るのを待っていると、後ろから「隣いいか?」と話しかけられた。
私は誰かわからないまま「どうぞ」と言おうとしたが、それより先に楓が「どうぞ!」と食い気味に答える。
急にどうしたんだ?と座ろうとしている人物を見ようとしたら、今度は反対側から「ここいい?」と聞かれる。
今日はそんなに席が空いてないのかと思いながら「いいですよ」と返事しようとするが、今度は桃花に「もちろん。いいですよ」と言われてしまう。
二人共どうしたんだ?と思いながら両隣を確認すると驚きのあまり私は固まってしまう。
'なんでこの二人がここに……?'
私は今すぐ頭をどこかにぶつけて気絶したかった。
誰か、これは夢だと言ってくれ、そう願うのに、周囲から聞こえてくる声でこれは現実なのだと思い知らされる。
「あれ?なんで二人がいるの?」
学食を買って戻ってきた芹那は藤堂と薺を見て首を傾げる。
「座る場所がなかったみたい」
桃花がそう答えるかが、誰がどうみても空いている席はある。
「そう。なら、仕方ないね。今日は6人で食べよう」
芹那は桃花の言葉を聞いて「ん?」と思うも、考えるのが面倒くさくなり思考停止する。
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