モテ期!?

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「だから、今度遊びに行かない?このメンバーで」 「……なんで?」 私は尋ねる。 「なんでって、私達友達でしょう?」 「……」 その言葉を聞いた瞬間、私はあの日の光景が頭の中で流れ出した。 茜が何を言ってるのか、私には理解できなかった。 私は自分の顔が強張っていくのがわかる。 早くこの場から逃げ出したい。 そうしなければ私は茜に何をするかわからない、そう思ったとき何も返事をしない私に焦ったのか、畳み掛けるようにお願いする。 「ね?いいでしょう?」 茜は可愛らしい笑みを浮かべる。 普通の人なら、この笑みを見たら可愛いと思うだろう。 ここにいるのが普通の人なら。 浮気された幼馴染。 合気道、柔道をしている男勝りな美女三人。 学校のモテ男トップ3のうちの二人で、常に顔のいい女子が周囲にいた見慣れているので、茜を可愛いと思う人は誰もいない。 だからか、桃花は「無理。私仲いい人としか遊びたくないから。他あたってくれる?」と言った。 それに続いて芹那と楓も「私も無理」と答える。 「え……?」 三人の答えに茜は顔を強張らせる。 断られると思っていなかったから。 「俺も無理」 さらに追い討ちをかけるように藤堂が言う。 「……」 私達の場所だけ音が消えたようにシーンとなる。
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