モテ期!?

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「じゃあ、この話しはなしってことで」 さすがにこの重い空気に耐えられず、私はパンッと手を叩きなかったことにしようと言う。 桃花が言わなければ私が言っていた。 いや、きっとあの日のことを口走っていた。 私は私を裏切った相手と仲良く遊ぶ趣味はない。 学校で話すのはまだいい。 外では嫌だけど無視はしない。 無視すれば人として大事な何かを失ってしまう気がして。 でも、遊ぶのは無理。 もし仮に謝ってもらったとしても昔みたいに戻ることは絶対にできない。 「あ、もう昼休み終わるね。そろそろ教室かえらないと。5限目移動しないとだし」 無視はしないけど、必要最低限以上の会話はしたくない。 これ以上ここにいたくなくて無理矢理話を終わらせ教室に戻ることにした。 「あ、そうじゃん。次、山センじゃん。遅れるとうるさいんだよね」 芹那は急いで残りの料理を詰め込み食器を返しにいく。 「ってことで、私達はもういくね」 私は席を立つ。 「楽しかったよ。また一緒に食べようね」 楓が、藤堂と薺に言う。 それは嫌、とはさすがに言えず私は苦笑いしかできない。 今の楓の発言のせいで、さっきよりも鋭い女子達の視線が突き刺さる。 私は二人の返事を聞く前に「じゃあ」と言って学食から急ぎ足で出ていく。 教室に戻ってやっと安心して息ができた。 '死ぬかと思った……' 学食にいた女子達の視線が怖すぎて居心地は最悪だった。 もう二度あの二人と一緒にご飯は食べたくないとそう思った。 女子って本当に怖い!
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