藤堂side

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藤堂side

'こいつは一体何を考えてるんだ?' 茜がこのメンバーと一緒に遊ぼうと言ったのを聞いた瞬間、頭イカれてるのかと思った。 幼馴染の好きな男とキスをしたくせに、その幼馴染とまだ仲良くしようとする態度に腹が立つ。 それだけじゃない。 友達とも仲良くなろうとする態度に腹が立った。 「無理」 そう言おうと口を開いたが、先に言われてしまう。 誰が言ったんだと声のした方に視線を向けると、苛立ちを隠しきていない結城がいた。 'ああ。結城か' 結城の性格ならあり得ると納得する。 結城に続こうと口を開くが、また先を越されてしまう。 結局、無理と言えたのは女子三人がいい終わったあとだった。 俺達が嫌だと言ったからか、このメンバーで遊ぶという話しはなかったことになった。 よかった。 心の底からそう思った。 彼女達が学食から出ていって、これ以上ここにいる意味もないなと思い立ち上がる。
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