モテ期!?

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モテ期!?

「はぁ。疲れた」 私は家に帰ると、制服を脱ぎ地面に寝転がる。 女子達の視線のせいでいつもの3倍疲れた。 今日は小学生の稽古をする日なのに、疲れすぎて動きたくない。 「動きたくない……」 このまま寝てしまおうかと思ったそのとき、バンッと勢いよくリビングの扉が開いた。 「巴!準備はできとるか!」 祖父の大きい声を聞いた瞬間、げんなりする。 このまま寝たふりをしようと無視を決め込んでいると「なんじゃ。寝とるのか仕方ない。このまま連れていくか」と足を持ち上げながら恐ろしいことを言うので、慌てて「起きてるから!」と返事をする。 「やはり狸寝入りじゃたな」 「わかってるなら、普通に起こしてよ」 「起こしたけど、無視したのはそっちじゃろ。ワシだってこんなことはしたくなかったけど、時間じゃから強硬手段に出るしかないじゃろ」 'ないじゃろ、じゃないわよ。可愛く言っても可愛くないから' 祖父のぶりっ子ポーズに鳥肌が立つ。 「わかった。着替えて、すぐいくから。先にいってて」 私は諦めて道着に手を伸ばす。 「早くくるんじゃぞ。もし、こなかったら……」 「いくってば。ちゃんと」 昔、いくと言っていかなかったときがある。 そのあとは、修行と称してボコボコにされた。 あんな目にあうくらいなら、疲れてても指導した方が100倍いい。 私はため息をつきながら、道場へと向かう。
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