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「私さ思ったんだけどさ、あの女があのクズの浮気相手なんじゃない?」
桃花は今にも人を殺しかねないほど低い声で言う。
「私もそう思う。そう考えれば日曜日、巴があの女を無視したのも納得できるわ」
芹那はあの日、目の前で茜を無視する姿を見た。
あのときは秋夜を連れてきたことに怒っていると思ったが、よく考えたら巴がそんなことで起こるはずはない。
浮気相手だから無視した。
簡単な答えだったのに、秋夜に対する怒りで冷静さを失っていた自分を後悔する。
「二人ともあの女がクロだと思ってるってことよね」
楓の問いかけに二人は頷く。
「じゃあ、とりあえず証拠を探そうか。もし違ったら困るからね。それにしても、もし本当に浮気相手だったら、今日のあのふざけた誘いは絶対に許せないわ」
楓はニコッと笑う。
二人は楓の笑みを見て「うわっ!怖すぎ!」と肝が冷えた。
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