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「そうね。もし仮に違ったとしても絶対に一緒に遊んだりしないけどね。私、あいつのこと嫌いだし」
桃花は中学のときに巴と仲良くなり、よく遊ぶようになった。
少しして茜のことを紹介されたが、巴に対しての態度と自分に対しての態度のあまりの違いに腹が立った。
正確に言えば、巴の知らないところで睨まれたり、陰口を叩かれたことが原因で嫌いになった。
最初はなぜそんなことをされないといけないのかと苛ついたが、すぐに自分の場所を奪われると恐れてそうしているのだと気づいた。
なに、その幼稚な理由は、と馬鹿馬鹿しすぎる理由に相手にするのも面倒くさくて放置していた。
だが、もし今回もそんな理由で巴の彼氏に手を出したのなら、絶対に許さないと決めた。
彼女にとったら大切なことかもしれないけど、巴からしたらいい迷惑だ。
友達は失わなかったけど、彼氏は失った。
これは絶対に許してはいけないことだ。
「私も嫌い。でも、仕方ないね。勝手に私達のこと敵対視してきて、毎回睨んでくるんだもん。あんなんされたら誰だって嫌いになるよね」
芹那は茜に睨まれたときを思い出す。
「それも、絶対巴にバレないように見えない角度からだもんね。ある意味すごいよね。感心するよ」
楓は笑いながら言う。
またもや、二人は楓の後ろから黒い何かが見え「うん。怖いわ」と思う。
「本当にね。じゃあ、これからはあの女が浮気した証拠を掴む、でいいよね。もし見つけたら、巴が傷つかないよう守るでいいよね」
「うん」
「意義なし」
桃花の言葉に二人は頷く。
話がまとまると、そこからは茜の話しはせず、芸能人やファション、学校行事のことを話して夜ご飯を食べてから解散した。
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