モテ期!?

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「あと少しで、うざったい視線から解放される……」 長かった一週間もあと一時間経てば終わる。 明日は土曜日だ。 女子達の視線に気分が悪くことはない。 あの日、6人で昼ご飯を食べたのを境に、なぜか藤堂と薺とよく話すようになった。 理由はわからない。 これまで男と話すことなど空手関係者以外では、ほぼ皆無だったため、どうして二人に話しかけられるのか検討もつかない。 別に二人と話すのは嫌ではない。 いい人だし、嫌いになる理由がない。 そう嫌ではないのだが、女子達の視線が日に日に強くなっていて、ストレスが溜まっていく。 そんなに睨むなら自分から話しかけろ!と何度も思ったが、それができないから私を睨むのだとわかっている。 直接言いにこないのは私が空手の日本一だと知っているからだろう。 私が本気で睨めば、そこらの女子など腰を抜かす。 それほど強いから、彼女達は直接文句など言えるはずもなく、遠くから睨みつけることしかできないのだ。 開き直って二人と仲良しアピールでもすれば、気が晴れるのかもしれないが、そんなことをする勇気も、二人に対して迷惑をかけることになるのでできるはずもない。 私にできることは、ただ少しでも早く一週間が終わるのを祈ることだけだ。 私は授業中だというのに、時計をずーっと眺めいた。 そのせいで先生に目をつけられ難しい問題をあてられたが、数学は得意なので余裕で解けた。 だが先生の顔があまりにも酷かったので残りの時間はちゃんと授業に集中することにした。
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