モテ期!?

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「それで話ってなに?」 人通りの少ないとこまで移動したが、茜はなかなか口を開こうとしないので私から尋ねた。 「今日、何してたの?」 茜は私の質問に答えず、逆に質問してくる。 「それ、今関係ある?」 「……どうしてそんな冷たいこと言うの?ねぇ、最近どうしたの?なんか変だよ?何かあったの?」 茜は冷たい態度を取られ、困った顔をする。 「心当たりないの?」 私は先程よりも冷たい目を茜に向ける。 私は何も知りません、そんな態度を取られて悲しいです、みたいな表情で私を見てくる茜を見ていると、どんどん自分の中の感情が冷たくなっていくのを感じる。 茜とは小学生からの付き合いだ。 だから茜のことはよく知っている。 可愛くて優しい、いい子だとずっと思っていた。 それは全て勘違いだったが、これだけは言える。 勘のいい茜が今の私の態度から何もわからないはずがない。 気づいているはずなのに…… それなのにこんなふざけた質問をするなんて、私のことを馬鹿にしているとしか思えない。 茜のことを本気で引っ叩きたくなる。 「言ってくれなきゃわからないよ」 「本当に?茜は私に何か言うことない?」 本当は違うことを言うつもりだったのに、気づけばそう言っていた。 自分でもどうしてもう一回チャンスをあげたのかわからなかった。 もしかしたら……、そんな淡い期待をしてしまったせいで、私は茜のことをさらに嫌いになってしまった。
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