モテ期!?

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「ないよ」 茜はニッコリと笑う。 'あくまでもシラを貫き通すつもりなのね' 私は茜の答えにがっかりした。 「そう。それがあなたの選択なのね。残念だわ。さようなら」 私はこれ以上、茜と話をする必要がなくその場から立ち去ろうと背を向ける。 「……!」 茜は私の行動に驚いて引き止めようと慌てて手を掴む。 「待って!どこにいくの?」 「どこって家に帰るだけだけど」 私はやんわりと茜の手を払う。 茜は払いのけられたことに傷つき今にも泣き出しそうな顔で見てくるが、不思議なことに何にも思わなかった。 「どうして?」 「どうしてって話は終わったからよ」 私はそう言うと今度こそその場から離れる。 「……どうして?どうしてこんな酷いことを私にするの?」 茜は私の後ろ姿を涙を流しながら見つめる。 どんどん遠くなっていく背中を見て目の前が真っ暗になっていく。 「あなたは私のヒーローなんだから、私を守るべきでしょう?」 ね?そうよね?と頭の中で初めて私と会ったときのことを思い出し問いかける。
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