モテ期!?

17/17
前へ
/124ページ
次へ
「もう好きじゃなくなっただけ。ただそれだけよ。他の理由はないわ」 私は凍てつくほどの冷たい視線を秋夜に向ける。 「……!」 秋夜はあまりにも冷たい視線に体が強張るが、負けじと睨み返しこう言った。 「なら、なぜ急に好きじゃなくなったんだ。理由(わけ)をおしえてくれ」 「理由(わけ)……?ハッ」 私はあまりにも図々しい要求に呆れてしまう。 言わなくてもわかってるはずなのに、敢えて聞こうとする態度に虫唾が走る。 「言わなくても、わかってるはずでしょう。思い当たる節くらいあるでしょう」 私は首を傾げ下から睨みつけるように秋夜を見る。 「……!」 秋夜はまさか浮気のことに気づかれたのかと焦って、思っていることが全て顔に出る。 私はその表情見てこれ以上話すことはない。 いや、話したくはないと思った。 謝罪するわけでもなく、なんとか誤魔化そうとする態度に「どうして私はこんな男を好きになったんだ」と昔の自分に呆れた。 「ようはこれで終わり?なら、もう帰ってもいいよね」 私は返事も聞かず、公園を出て家に向かう。 「はぁ。ったく、なんなのよ。なんで、あんな二人を…………せっかくの楽しい気分があの二人のせいで台無しだわ。ほんと、むかつく……」 私は家に入るなり、玄関の扉を閉めその場に座り込む。
/124ページ

最初のコメントを投稿しよう!

112人が本棚に入れています
本棚に追加