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「それでなにを話したの?」
花凛書店から少し離れた場所で周囲に誰もいないのを確認してから話しかける。
「……浮気してたのバレたかもしれない」
質問には答えず言いたいことを言う。
「あんた!なんか余計なこと言ったわけ!?」
茜は秋夜の服を掴み下から睨みつける。
「なにも言ってない」
「本当に?」
茜は秋夜を疑うような目で見る。
「ああ」
「なら、なんで巴に会いにいったの?なにか話があったんでしょう」
「違う。偶然だ」
秋夜は茜を落ち着かせようと諭すように言う。
「嘘!そんなの信じられるわけないでしょう!」
「嘘じゃない。本当だ」
「なら、なんであの公園にいたのよ!私、前に言ったよね!あの公園の近くに巴の家があるって!」
掴んでいる服をさらに強く握りしめる。
「ああ。聞いた」
「なら、なんで……!」
「お前に会いにいったんだ!」
茜の言葉を遮り叫ぶように言う。
「お前に会いに行ったのに、家にいなかったから、帰ってくるのを公園で待ってたんだ。そしたら、巴と会って少しだけ話したんだ」
'なんでよりにもよって公園で待つのよ!家の近くで待っていてくれたら……'
茜は秋夜の軽率な行動に怒りが込み上がる。
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