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「悪かった。勝手なことをして。でも、電話もメールも返してくれないから心配で……」
茜が急に黙ったことで怒らせたと思い、慌てて謝罪し、言い訳をする。
「……これからは勝手なことしないで」
茜はそう言ってその場から立ち去ろうとするが「待てよ。まだ話しは終わってないだろ」と秋夜に腕を掴まれ歩くことができない。
「なに。もう話すことなんてないけど」
茜は苛立ちを隠すことなく顔に出す。
「自分の言いたいことだけ言ったら用はないと……ふざけんなよ」
秋夜はボソッと呟く。
「……なんか言った?」
ボソボソと何か言っている声は聞こえたが小さすぎてよく聞こえなかった。
「俺の話はまだ終わってない」
「……!わかったから手放して!痛いから!」
急に腕を掴む力が強くなり顔を顰める。
「あ、悪い」
秋夜は無意識に力が強くなっていたことに気づき慌てて手を離す。
「それで、話って」
「俺たち付き合わないか?」
「は……?」
茜は聞き間違いか?と自分の耳を疑う。
秋夜の顔が真剣で嘘ではないとわかると、茜は自分の顔が引き攣っていく。
「冗談でしょう」
茜はハッと笑いそうになるのをなんとか耐えそう言う。
「冗談じゃない。俺はお前が好きだ。お前もそうだろ?」
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