茜side

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秋夜は茜の後ろ姿を眺め、完全に見えなくなると「クソッ!」と近くにあった缶を蹴る。 「そんなに、俺と付き合うのが嫌なのかよ!」 秋夜は気づいていた。 茜が自分のことを好きではないことに。 巴と付き合っていたからちょっかいを出されただけだと。 別れた以上、自分にもう用はないから捨てようとしているのだとなんとなくわかっていた。 だから、最近メールにも電話にも出てくれなかったとのだと。 信じたくなくて会いにいったが、いま話して確信にかわった。 茜は俺のこと少しも好きではないことに。 「許さねぇ。絶対に後悔させてやる」 自分を蔑ろにした茜とこんなことになった原因は全て巴のせいだと思い、二人に対して激しい憎悪が湧き上がる。
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