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たましいは金平糖でできている
金色の茶漬けにするから泣くんじゃない泣くんじゃないぞなめ茸泣くな
光速で届けておくれセピア色の空き缶詰めた金糸雀の声
簪を眺むる人の美しき目と替わらんと瞬く我が眼
綺麗だと君は綺麗だと言うだけの歌が嫌いな私の飼い猫
蓮根の穴には孤独が詰まってるような気がするから早く食べよう
恋う人の名を叫ぶこと畦道で狐の面と出くわした時
冬眠をしていたんです借り物の静寂の肩抱き寄せられて
シトラスのシーシャの煙吐き出して酸欠になる脳は孤独だ
骨になる日が近づいて来たような面持ちで君はコーヒー啜る
鮮やかなソーダ割へと手を伸ばすいつか逝く君と逝きたい僕は
明け方の白い冷たいシーツには失うものなど何もないのに
朽ちてゆく音聴くような心地して着信音を止める指先
冷たいと一度きりの言葉だった春の来る前の真水のような
冬、君が死んだことにするもう二度と愛さなくていい呪文のように
瞬きをするたび鷺が飛び立ってもう戻れないような気がする
立ち直ることなどできない理性から引っこ抜かれた針をあげます
トルストイ脾臓のように抱きしめて君は夜明けの気球に乗り込む
地球儀の半分ずつを抱きしめてさよならを言う君は赤道
空色の列車の足跡を追ってどこまでもどこまでも行けば会えます
明け方に響く赤子の産声を想って握るスポンジの泡
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