マックロード

1/1
前へ
/11ページ
次へ

マックロード

『え、ダーリン?』  「お願い。ダーリンは、真神グループの会長さんなのよ」 『な、なんだとォ、真神グループ?』  さすがのマックロードも真神と聞いて驚きを隠せないようだ。  無理もないだろう。日本有数の巨大コンツェルンの会長だ。 「そうッ、治療費は言い値で良いって。金にトドメはさせないわ」 『いやいや、金にだろう。それを言うなら』 「そういう細かいことは良いのよ」 『フフゥン、細かいねえェ?』 「だってマックロード先生は四年前に死んだ人をお墓から掘り出して、チョイチョイってオペして蘇らせた伝説を持ってるじゃん!」 『持ってるかァ。そんな怪しげな蘇生魔術なんか出来るはずないだろう。オレはフリーレンの師匠の全知全能の女神ゼーリエじゃないんだ!』 「ああァらゼーリエはフリーレンの師匠じゃないわ。フランメが師匠だから。フランメの師匠がゼーリエなのよ」  ちょっとしたウンチクを傾けた。 『はァ知るか。そんな細かいこと。さすがにオレの腕をもってしても死んだ人を蘇らせるのは不可能だ。生きているうちに引きずって来い!』 「なァんだ。たいしたことないんじゃん。マックロード先生も」   『いやいやァ、これでも『神の手を持つ外科医』だぞ。オレ様は。もっと(あが)めたてまつれ。ピーチ姫!』 「わかったわよ。じゃァ、おじいちゃまの病気も治せるのねェ」 『さァな。まだ診察もしてないから、絶対とは言えないが』  少し弱気な発言だ。 「ふぅん、なァんだ。口ほどにもないんじゃん。マックロード先生も」 『おいおい、わかった。取り敢えず、診察はしてやろう。断っておくが治療費は二十億だ。もちろん現金以外、受け付けない!』
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加