真神ヒロシ

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真神ヒロシ

「断わっておくが治療費は二十億だ。もちらん現金以外、受け付けない!」  なんとも高飛車な物言いだ。 「フォッフォッフォッ、たったの二十億で良いのか。マックロード君?」  突然、真神が通話中に口を挟んだ。 『ン、あんたはァ?』 「フォッフォフォッ、お主が、あの都市伝説の『神の手を持つ外科医』マックロード医師か?」  真神ヒロシは不敵に微笑んだ。 『ああァ、あんたが真神グループ総帥、真神ヒロシなのか?』 「そうじゃァ、天を(つかさ)る真の神。このワシこそ真神天司だ!」 『フフゥン、さすがに、真神ヒロシといえど死ぬのは怖いらしいなァ』 「まァ、どうやらワシにも可愛らしい娘ができたんでなァ。少しだけこの子と遊びたくてな」  真神は私の顔を見て優しく微笑んだ。 「フフッ」  どうやら私も養女になるしかなさそうだ。 『良いだろう。二十億円持って、志仁神病院まで来い。オレ様が診てやろう』 「頼んだぞ。孫の顔を見るまでは死ねないからな!」  真神ヒロシも命には()えられないようだ。  こうして私も真神ヒロシの養女になることを承諾した。  THE END    
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