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「我々DELTAは貴方の様に能力者がたくさんいます。
人の感情を読む者、見えないものを透視する能力…さまざまです。その中でも貴方の様に複数の能力を持つ者は珍しいですが」
「俺が…そのDELTA…?に協力するメリットは?」
「そうですね。まず貴方の家族の身の安全を保証しましょう。貴方と弟さんが絡まれた連中はタチの悪い連中だ。どんな手段を使っても貴方達家族を見つけて金を請求して来るでしょう」
「そんな…」
「世の中そんなに甘くは無いのですよ。協力してくれれば記憶操作を行い、その過去は無かった事になる。それから衣食住などの生活面も保証します。それに…」
「それに……?」
「貴方のご両親の行方を探す事が出来るかもしれない」
「ーー⁉︎」
「直ぐに答えを出せとは言いません。よく考えて返事を下さい。一週間後返事を伺いに参ります」
「……」
あまりの内容に冬夜の思考は付いて行けず呆然としているのを桐沼は始めてそこで表情を緩めた。
微かに微笑んだ様な気がした。
桐沼が部屋を去り、冬夜は一人どうするかを悩んでいた。
妹弟達には幸せに暮らしてほしい。
今まで贅沢もせずに苦労ばかり掛けて我慢もさせて来た。
冬夜の中で答えは決まった…。
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