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DELTAの本部は地下にある。
三角形の形をしており、その建物が地下へと伸びていた。
地下の本部に行くにも認証コードの入力、指紋認証などのいくつものセキュリティーを潜らないとならないため、一般人が本部へと辿り着くのはまず不可能だった。
また、DELTA地下本部の地上には政府情報機関の組織のビルが建っており、さまざまな人物が勤めている。DELTA所属職員も表向きは政府情報機関の職員として在籍しており、外部からは分からない仕組みとなっている。
DELTAの存在を知っている者は本当に政府の人間でも一握りなのだ。
そんな中、冬夜は今日もDELTAへと出勤し、自分の所属している課へと向かう。
「おはようございまーす」
いつもの様に挨拶をして自分の席へと座ると、スッと珈琲の入ったマグカップが机に置かれた。
「ありがとうー新島ちゃん」
「おはよう、冬夜君」
笑顔で挨拶して来たのは同僚の新島唯だった。
新島は直接悪魔退治は行わないが事務員で冬夜達のサポートを主に行ってくれる、頼もしい存在だった。
いつもニコニコ笑顔で優しい新島は密かに女神と呼ばれている。
「冬夜君、珈琲飲んだら桐沼さんが課長室来てくれって」
「げっー⁉︎」
「また何かしたの?」
「……いや…」
「……?」
心当たりが無いわけでは無い。
能力は一級だが冬夜は常日頃から備品などを壊して秘書である桐沼にいつも怒られていたのだ。
冬夜は珈琲を急いで飲み干して課長室へと向かった。
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