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謎の少年
課長室の扉の前に立ち、冬夜ははぁと大きな溜息を吐いた。
大抵課長室に呼ばれるのは説教を喰らう事が多い。
重たい気持ちのまま扉をノックすると直ぐに返事があり中へと入る。
「どうぞ、座って下さい」
冬夜は桐沼に言われて長椅子に座り、テーブルを挟んで向かい側に課長と桐沼が座った。
「話って何ですか?……もしかして…」
「簗瀬さん…貴方はまた何か壊したんですか?」
「えっ!……えっと…」
本題に入る前に桐沼の説教が始まりそうな予感に課長の岩瀬がゴホンとわざと咳き込むと桐沼はハッとして説教をやめた。
「樹。説教はまた今度にしろ。今は時間が無い」
「すみません…」
「課長、話って何ですか?」
冬夜がそう尋ねると桐沼が課長の代わりに説明を始めた。桐沼はノートパソコンの画面を開き、冬夜に見せる。
「これは…?」
画面に映し出させれているのは一人の少年のプロフィールだった。
淡い栗色の短髪の少年で顔立ちも整っており、かなりの美少年だった。
日本人の様だったが瞳の色が青く、珍しかった。
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