30人が本棚に入れています
本棚に追加
電話口から聞こえるのは男性の声だった。
『もしもし?簗瀬さんのお宅ですか?』
「…あ、はい…」
『私は〇〇警察所の渋谷と申します』
「け、警察の方が何か……」
受話器を持つ手が震える。
警察官が伝えて来た内容は冬夜にとって衝撃的なものだった。
両親の車が道路脇の崖に転落しているのが発見されたらしい。
だが、両親は放り出されてしまったのがまだ見つからないらしい。車を引き上げて車検証の情報から電話を掛けて来たらしい。
両親はまだ見つかっていないが見つかっても助かる可能性は無いだろうとのこと。
受話器を持ちながら警察官の最後の方の言葉はもう聞こえていなかった。
ショックで崩れ落ちた冬夜に妹弟達が駆け寄り、冬夜の様子に只事では無いと察し、妹弟達もそわそらし始め泣き出してしまった。
気が付くと皆んなで寄り添いながらいつのまにか眠ってしまっていたらしいく、朝を迎えていた。
最初のコメントを投稿しよう!