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冬夜が目を覚ました場所は見た事も無い場所だった。
「いたーっ」
頬を殴られた時に口の中を切ったのだろう。
ベッドから身体を起こして辺りを見渡すが、やはり知らない場所だった。
自分の置かれている状況が分からず、途方に暮れる冬夜だったが、段々と意識がはっきりして事態を思い出した。
「あ、秋斗ー!」
冬夜は弟の名を叫ぶ。
だが返事は無く弟の姿も無い。
弟は無事なのだろうか…
「秋斗さんなら大丈夫ですよ。家まで送り届けましたから」
突然の第三者の声に冬夜はビクッとしながら、声のした方に視線をやる。
いつの間に現れたのか扉の前に背の高い、堅そうな雰囲気の男性が立っていた。
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