DELTA

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 冬夜と視線の合った男性は名刺を取り出し冬夜に渡した。 「DELTA悪魔退治課秘書…桐沼樹…。って…悪魔退治⁉︎」  あまりにも現実離れしていた内容に冬夜は驚きの声を上げた。 「冗談ではありませんよ、本当です。それに…」  桐沼は言葉を切った。  冬夜が何だよと催促すると桐沼は少し言い辛そうに口を開いた。 「言いにくいのですが…貴方のご両親は事故死…ですよね…」 「何で…両親の事を⁉︎」  親戚などいないため、両親が亡くなった事を知っている者は仕事先の店長以外、話した事は無かった。 「今この日本、いえ…地球上には悪魔と言う未知なる存在が侵入して来ています」 「悪魔…」 「悪魔が何処から来ているのかは未だに分かっていません。ただ悪魔は何かしらの目的で人間を攫って行く」 「まさか…」 「ええ。貴方のご両親もそうです。現場に赴き確認しましたが微かに悪魔の痕跡が残っておりました」 「ーー⁉︎」  桐沼の言葉は冬夜にとって衝撃的だった。
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