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「じゃあ…両親は…悪魔に連れ去られた…って事…」
「可能性は高いです」
「なら、連れ去られた人はどうなるの」
「それは…すみません。私達もそれは分かっていないのです」
「なら、もしかしたら生きている可能性もあるって事だよね!」
「……ゼロ…では無いかもしれません…限りなく可能性は低いですが…」
桐沼の最後の方の言葉を冬夜は聞いていなかった。
両親が生きているかもしれない。
それだけだった。
「その事について貴方にお話があります」
「……?」
「貴方の…隠している能力を…DELTAのために協力してほしいのです」
「ーー!!」
冬夜は桐沼の言葉に咄嗟に返事が出来なかった。
冬夜には物心ついた時から不思議な能力を持っていた。その力を知った両親から不安と戸惑いの感情を感じ取った冬夜は力を使わなかった。そのため両親は成長するにつれて冬夜の能力は無くなったものだと思っていた。
だがそれは違った。
成長するにつれて能力はどんどんと強くなって行った。それとともに力を抑える術も身につけて能力の事は誰にも気付かれない様にしていたのだ。
なのに…。
「何で…その事を…」
ようやく出た言葉はそう言うのでやっとだった。
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