第3章 訪問

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「――ちゃん。未麗ちゃん?」 「はっ、はい!」 「大丈夫?」 「……え?」 「ちょっと……いえ、なんだかとても寂しそうな顔をしていたから」 「そんな事は……」  寂しそう……確かにそうかも知れない。でも、樹里亜さんが変わった様に私も少しあの頃と変わったとは思う。  でも、きっと根っこの部分は全然変わっていなくて……月を助けた時も、今こうして樹里亜さんといる時も私はずっと「寂しがり屋で臆病」だ。  だから、専門学校に入学してしばらく経った今でも口では「暇だ」とか言いつつ自分からは動かないで誰かの誘いを待っているという状態。  だって、自分から下手に動いて傷つきたくないから。 「未麗ちゃん?」 「いえ、何でもありません。それよりも……連絡先の交換でしたよね?」  気を取り直しつつ自分のスマートフォンを取り出すと、樹里亜さんは「え、ええ」と少し戸惑いつつもそれ以上は何も聞かず、私たちは連絡先を交換してくれたのだった。
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