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日が昇ってさらに暑さを増して来たので浜辺を去ろうとしたとき、例の男児が溌溂とした声で「良い一日をね」と声を張った。所々発音はうまくいかないが彼の声とその破顔した表情は潮風とともに私の内側の霞んだ心をそっとさらっていった。
家に着いた私は机の前に座り、手帳を広げた。最後にこれを開いたのは半年前と過去の自分が教えてくれた。私は微笑を浮かべてペンを走らせた。
窓外に入道雲が堂々とそびえてまだ見ぬ天へ向かっていた。
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