俺の幼馴染

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 楽しげに笑って出て行った保険医を見送り、斜め後ろに目をやれば珍獣がケーキを完食寸前だった。  いくらなんでも早すぎるだろ。 「……保冷材は食うなよ」  馬鹿みたいなことを言っているようだけどこいつはやりかねない。  現にユウヒの目は俺に足りないと訴えかけている。 「……腹へ」 「お前今なに食ってたよ。それ以上言わせねえからな」  四人いてちょうどいいくらいのサイズだぞ。  それを三分かそこらで平らげ、さらに腹減ったなんて言われたら俺はいよいよ泣いてしまう。  制止されたユウヒは不満そうだ。  他の奴が見てもほとんど分からないだろう表情の変化でも、十二年の付き合いはダテじゃない。  空になった箱を見下ろし、じっと物欲しそうに中身を眺めている。 「アキラ……」 「今はなんも持ってねえぞ。まだ購買開いてないからチョコ買ってこいとか言っても無駄だからな」 「…………」  図星かよっ。  しかも舌打ちしたの思いっきり聞こえたからな、この腹黒モンスターがッ。
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