あいつとクッキーと俺

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 そうして食事を終え、念願叶ったユウヒは俺の部屋でクッキーをむしゃむしゃと。  十七の男がクッキーを両手に、無表情の中にも幸福感を表しながらかぶりつく。いいんだろうか。  そりゃ当然その辺のムサイ男子がやっていたら一個も可愛くない。  そんなのは俺だって即座に追い出す。  だが残念なことにその時俺の目の前にいたのは、見た目最良のマスコット。  カワイイ。なんかもうすごく可愛い。  急いでがっつくせいでポロポロとクッキーの欠片を落としていく様もどうせ許せる。  本来ならば一番に来るべき「人の部屋汚してんじゃねえ」じゃなくて、「しょうがない奴だなー、コイツめコノコノっ」というように残念な感想の方が先に立つ。ああ、もう。  色んな事がマズいのだけれど何が一番何がマズいかって、俺の理性が非常に危ないことだ。 「……かわいい」  気づけば声に出ている。ハッとして慌てて口を閉じた。最近本当にマズい。  目の前のユウヒはチラッとこっちを見ただけで別に気にした様子もない。  クッキーを食べる作業に夢中だ。
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