俺の幼馴染

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「チョコとかケーキとかやめて普通にメシ食えって。おばさんだってホントはすげえ心配してんだぞ。ただでさえお前は何考えてんだか分かんねえんだから少しはおばさんの身にもなってやれよ。つーか……ああもうっ、外すからなベルト! これマジ意味ない長すぎ、切っちまうぞッ……あ、ナナちゃーん。ごめん、ハサミ持ってねえー?」 「よく喋るね」 「誰のせいだ!?」  ボソッと小声でなんとも失礼なこと言いやがる。  クラスの女の子からハサミを受け取り、諸悪の根源であるユウヒはすでに知らん顔をしていた。  代わりに半笑をしてきた相手は、常日頃から裁縫セットやら何やらを持ち歩いている和風少女ナナちゃん。今日も大変そうだねと、フフッと笑いながら一言添えられた。  ユウヒとのこのやり取りさえなければ、俺は絶対にモテるのに。  こんなのとこんな事を毎日毎日しているせいでクラスの女子のいい笑いものだ。  黙ってる時だけはイケメン。そう言って指をさされる。なんも嬉しくない。俺の青春を返せ。 「お前は何? 高幡の嫁? オカン? 下僕?」 「うるさいな!」  横からは斉藤の追い討ち。  どれも嫌だけどどれも正解だ。一番近いのが下僕かな。
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