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「いいじゃないか、新入社員で半年経つと辞めたいとか言う子だって出てくる時期だよ.君は本当にありがたい存在だ」
「……そうでしょうか。ただの馬鹿なだけです」
「なんか、新プロジェクトに抜擢されたらしいね。部長から聞いたよ。いや、鼻が高いなー。結果残してくれたら俺の査定にも影響ありそうだよ」
そんな馬鹿な……。
「ま、それは冗談として、とにかく頑張って」
手を振っていなくなる。はあ。プレッシャーなんですけど。
結局プロジェクトはまだ新人なので勉強する立場。先輩たちのやることを見て次回以降に生かすという立場だった。部長は先行投資と言っていたけど、どうかな。でも個人的には勉強になった。
「森川さん、ちょっと」
二年目に入った春。部長から呼ばれた。
「春は異動の季節だ。うちも、新しい本部長が来る。この人はね業務は初めてだ。今年のプロジェクトをやりながら彼の秘書もやりなさい」
「はい?」
「プロジェクトは同期の新村君も入れるからね」
「それは、いいですけど、秘書なんてやったことないです。できません」
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