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出会い
永峰俊樹さん。彼の秘書に抜擢されたことが彼との出会いとなった。
「ああ、君か。よろしくね」
兄とは違うイケメン。若いのに何故役員?そうか、社長の親戚だから?仕事も知らないのにずうずうしい。
顔に出ていたかも知れない。
「ふーん。勝ち気なタイプだね。お手並み拝見といこうか」
私の顔色を見て、ニヤリと笑う。
こっちの台詞だ、ふん。
最初はそんな関係で始まった。
「だから、本部長。これはそうじゃなくて、こっちの営業部所属の商品です」
「あっそ。じゃあ、この案件は君がやれ」
「は?」
「君はわかってるんだから、僕が読む必要はない。君から聞いた方が早い。その間に僕はこっちの案件をかたづける。わかったらさっさとやる」
彼の横顔を見ながらあっけにとられる。
この人一体何なの?っていうか秘書ってこんなことする?
はじめてだからよくわかんないけど、私これでいいのかな?
「ふーん。そりゃ、ちょっと変かもな」
今日も巧は唐揚げ定食。巧とは新村君のこと。同期なので最近名前で呼ぶようになった。
「そうだよね。私も絶対おかしいと思うんだ」
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