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「本部長?どうぞ、お茶です」
返事がない。え?寝てる?
机に突っ伏している。
それにしても、良くないような気がした。いつもと違うとピンと来た。
「本部長、風邪引きますよ」
身体を揺する。え?何か熱くない?びっくりして、おでこに触ってみる。
「ちょっと、失礼します」
熱い。間違いない、熱あるでしょ、これ!
急いで秘書室へ行き、秘書室長に話して来てもらった。こういうときにどうしたらいいか全くわからなかったのだ。
「永峰本部長、大丈夫ですか?うわ、熱っ」
秘書室長が抱き起こして驚いている。
「ああ。すまん。帰るわ」
「お車回しますね」
私は急いで電話した。
「森川さん。ついて行ける?ご自宅まで……」
「え?」
「俺ね、社長のこと頼まれてるから、この後一緒に行けないからさ。頼むよ」
秘書室長に頼まれて、本部長のコートとかばんを手に下まで降りた。
室長が本部長に肩を貸している。
「……水」
本部長が言うので、急いで水を調達してきた。
すると、タクシーの中でかばんからピルケースを出す。
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