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「誰が帰れと言った。その袋の中身は俺のものだろう?金だしてやるから入れ」
「何ですか、その物言いは?お金が欲しくてきたわけじゃありません」
「じゃあ、何しに来た?」
「一応、ご飯を作りに来たんですよ。私、これでも料理は得意です。実家が飲食店なので……」
彼は私をじっと見て、頼むとひとこと。
最初からそう言えばいいのに。可愛くない人だな。
「熱は下がりましたか?」
「今朝は大分下がったが、まだくらくらする」
「汗かいたら、着替えて下さい。洗濯しますから……」
家政婦のように言うと、目を丸くしてこちらを見てる。
「はいはい、言われたとおりにしましょうね。執務室は相変わらず主がいないからまた元通りですよ。頑張ってよくしましょう」
幼稚園の先生のように手を叩いて指図すると、彼は従いはじめた。
おうどんを煮てあげると嬉しそうに食べている。
なんか、可愛い。お薬も素直に飲む。着替えて身体も拭かせると脱いだものを洗濯する。
ついでに夕ご飯も作って冷蔵庫へ入れてあげた。
「じゃあ、会社行きますね」
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