自覚

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 そんなことない。何故か断れない。最近気付いた。自分の気持ち……やばい。  巧のこともいまだ放置。信じられない。ごめんなさい。  * * * *  【俊樹side】  その日の午後。  俊樹は秘書の森川が買い物に出たところで新村を呼び出した。    トントン。    「はいどうぞ」    「失礼します」  キョロキョロする、新村。森川を探しているな。    「新村君、そこに座って」    彼が座るのを見ると、僕も前のソファへ腰を落ち着けた。  「森川さん?彼女なら買い物に出てる。手土産を買いにデパートへ行ったよ」    「いえ……そうですか」  「新村君。森川さんだけどね、来年三月からはおそらく僕の秘書一本になると思う」    「え?」    「彼女にはまだ言っていないがね。ほぼ決まりだ。僕はね、役員室の方へ上がる予定だ」    「それをどうして僕に話されるんでしょうか?森川には言わないで……」  
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