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「それはね。君ならわかるだろう。理由はふたつ。ひとつは業務部での彼女の仕事の引き継ぎについて。君の意見を聞いて調整しておきたいんだ。君の意見なら彼女は素直に従いそうだからね。もうひとつは……何だと思う?」
「……牽制ですか?」
「牽制ね。当たらずとも遠からじってとこかな……」
新村は深呼吸をして話し出した。
「僕が彼女に告白したこともご存じなんですね?」
「悪いね。言っておくけど聞き出したわけじゃない。彼女はそういうのすぐ顔に出るし、行動に出てしまうんだよ。免疫ないみたいでね」
新村はため息をつく。
「そうでしょうね。隠すこともできないし。仕事以外は恐ろしくウブです」
「そうだな。それが魅力でもある」
俊樹は新村をじっと見つめた。
「単刀直入に言う。悪いがね、彼女はもらうよ。公私共に。宣戦布告と思ってくれ」
新村は目を見開いた。
「ずいぶんと強気なんですね。自信があるんですね」
「そうだな。君と違って、年齢もそこそこいってるんでね。待ったりしないんだよ、君みたいに。僕は決めたんでね、彼女をものにすると……」
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