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「私もね、お前はこの店で過ごすにはもったいない逸材だと自分の娘ながら思ってるの。奏よりも経営に向いている。奏は真面目で人の上に立つこともできなくはないけど、融通が利かない。緑ちゃんがいてこそうまくいくのよ。お前は店を出て社会勉強をもっとしてきなさい。そうすればもっと大きくなれるわ。この喫茶店より大きいものを経営できる」
お母さんはこちらを見て真剣に話してくれた。
嬉しかった。私を認めてくれるんだなと思った。お父さんが私を溺愛しているのは自覚してるからこれは決めてから説得すべきだとすぐに思った。
今日は土曜日。
久しぶりに緑ちゃんへ会いに行こうと決めた。社会人の先輩にこの話をするんだ。
ケーキを焼いて持っていく。クランベリーのケーキは私の得意ケーキだ。
カランカラン~。
「あー、菜摘ちゃん。久しぶりだねー」
大好きな緑ちゃんが笑顔で迎えてくれた。
「緑ちゃん、元気?お兄ちゃんにいじめられてない?」
「なんだよ、菜摘。久しぶりに来てその言い草はないだろう。お前、兄が優しいのを忘れたのか?」
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