自覚

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  すごいオーラを出して、新村を牽制する。    「わかりました。お手並み拝見といきましょう。僕も本部長にはない、彼女との共有財産がある。それでも負けるようなら諦めますよ、潔く」    「さすが、業務部エース。君は非常に女子社員から人気があるからね。森川さんは敵だらけだ」    「それを言うなら本部長でしょ?嫌みですか?」    「悪いが、僕は興味のない人には何も感じないんでね。正直、森川さんも最初はいけ好かない娘だと思っていたが、噛めば噛むほどいい味を出す、スルメみたいな娘だよ」    「……それ、本人に言ったら殴られますよ」    「そうだな。そこがいいんだよ。おべっか使ったり絶対しないからね」    「……なるほど。分かってきました、本部長が彼女に固執する理由」    「君だから特別に教えてるんだよ。と言うわけで、彼女の仕事の割り振り表、今月末までに頼みます。内密でね」    「わかりました」    そう言うと、立ち上がって一礼し背中を向けた。扉を開けるときに一瞬止まると、振り向いた。    「彼女のこと。俺も本気です。最後まで戦わせてください」  そう言うと、彼は出て行った。  
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