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「……嫌です」
俊樹は目をじっと見ている。
「その返事も予測していた。でも、ダメだよ。許さない。これだけは絶対に譲れない。君はね、今日から公私共に僕のものになるんだよ」
「どういうことですか?」
彼は箱からネックレスを取り出すと私のうしろに回って首につけた。ダイヤモンドが中央に輝く、シンプルなもの。つけやすいタイプだ。
「良く似合う。これでも悩んで買ったんだ。気に入ってくれるかな」
彼は私の前に座ると両手を握ってゆっくり話した。
「菜摘……好きだよ。分かってたと思うけど、君も僕を拒絶しないからね。気持ちがあると思うんだけど、違うかな?」
「ネックレスとても素敵です。ありがとうございます。俊樹さんのこと、おそらく私も好きです」
下を向いて話す。
彼は私の顔をつかんでじっと見つめた。
「さあ、デザートを食べて、バーへ移動しよう。じっくり話し合おうか」
そう言うと、フォークを皿へ向けた。
レストランを出て、最上階のバーへ連れてこられた。
すごい景色。さすがにクリスマス。カップルが大勢いる。
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