溺愛

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 「捕まえた……もう全部俺のものだ……たくさん印をつけてやるからな」  そう言うと、あちこちにキスマークをつけていく。  まだ、身体が痛いと言ってもなで回している。  菜摘は理性が飛んでしまい、自分が自分でないような感覚におかされて、戸惑いが隠せなかった。    ホテルをチェックアウトして家の近くまで送ってもらったが、またキスしようとするので、誰に見られるかも分からない場所でやめてというと、額に軽くキスして帰って行った。  家に帰っても両親に顔を見られたくなくて、よそよそしくしている。 母親はクリスマスにおしゃれな格好をして外泊帰りの彼女を生温かい目で見ていた。  明日からの仕事をどうやっていけばいいのか、まずそれを考えようと自分用のコーヒーを入れて考える。 ブレンドも自分好みにしてある内緒のコーヒー。これを飲めば頭が冴えてきっと考えが浮かぶ。  そう思ったのに、思い出すのは彼の仕草。夜のことばかりだった。 真っ赤になりながら、こんなことではダメと顔を叩く。
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