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お兄ちゃんが緑ちゃんの声を聞いて、バックヤードから顔を見せる。
確かに優しいし、割とイケメン。自慢の兄です。
「お兄ちゃん、幸せぼけで大丈夫?デロデロしてるんでしょ、どうせ……」
お店の常連さんが皆笑い出した。
「いや、菜摘ちゃん。その通り。もう、こっちが見てらんないくらいイチャイチャしてるんだよ」
ふたりは真っ赤になってる。しょうがないなあもう。
「皆さんすみません。長い春で中々くっつかなかったから許してやって下さい」
私は皆さんへ頭を下げた。また大笑い。
商店街の人達が土日は緑ちゃん目当てで来ると言っていたがすごい人気。
店にとってはありがたい話だよね。
「ごめん、お兄ちゃん。緑ちゃんに相談があるの」
緑ちゃんは目配せすると、私の腕を引いて中へ行く。
キッチンの片隅でハーブティーとクランベリーのケーキを食べながら話す。
「ふーん。ミツハシフードサービスならいいんじゃない?」
「そう思う?」
「ていうか、菜摘ちゃんの答えは出てるでしょ。何が聞きたいの?」
さすが、緑ちゃん。お見通しか……。
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